近年の食品需要の動向をみますと、国民所得の向上、生活様式の変化、健康志向等から、 高級化、多様化の要請が強まってきています。
これらの要請に応えていくためには、食品産業部門における基礎研究や応用研究を より一層推進するとともに先端技術の開発を図ることも肝要なことといえます。 また、食生活や食文化についての研究や調査も必要なことと考えております。
ハウス食品株式会社の元取締役社長浦上郁夫は永年、食品産業に身を投じていたためか、 わが国食品産業の振興と食文化の向上に強い関心を示しておりました。 そして、これらは1個人の力のみでは不十分なので、優れた研究者と多くの協力者のお力をお借りしてこの事業を成し遂げるため、私財を投じて財団法人をつくる準備を進めてきましたが、 不幸にも昭和60年8月12日の日航機事故に遭遇し、逝去いたしました。
私どもは志半ばで終わった元社長の遺志を汲み、 食品の生産、加工及び 安全性等に関する研究並びに食文化に関する啓蒙活動の促進等を目的とした 財団法人浦上食品・食文化振興財団を1986年4月に設立いたしました。本財団の活動を通じて、いささかでもわが国の食品産業及び食文化の発展と 国民の食生活の向上、安定に寄与したいと念願しております。
昭和61年4月1日
設立発起人 浦 上 節 子
大 塚 邦 彦
浦上元社長が人生の師として敬愛していた、 南宗瓶華四世故田川松雨先生に書いていただいたものです。 「食」という字は「人」と「良」にも、そして「人」と「ヨ」「し」にも分けることができます。
「人との良いつながりと、人によろしいもの」を目標に、皆様の暖かい御力添えでなりたつ 当財団にふさわしい文字と考え、ロゴにさせていただきました。
また当財団では、“「食」は「人」に「良」いこと 元気のもと”のフレーズを 食育キャンペーンとして使用しています。