次の5つの研究課題について助成しています。
・食品加工技術に関する研究
・食品と健康に関する研究
・香辛料食品に関する研究
・食嗜好に関する研究
・食品の安全性に関する研究
募集については、毎年度募集要領により公募します。 選考は、学識経験者で編成する選考委員会において選考します。また、平成27年度には財団設立30周年記念学術研究助成 研究室立ち上げ支援大賞として若手研究者4名に助成しました。
令和2年度より研究助成本体とは別枠で申請時に希望した研究者に国内外論文・学会発表費用として定額30万円を助成しています。
令和6年度より、それまでの東日本大震災復興事業を拡大発展させ、食文化復興支援事業を開始しました。
○支援の趣旨
現在、全国においてさまざまな災害が多発しており、それにより食・食文化の消失の問題を抱えています。またそれだけでなく地域の過疎化、単身世帯化、地域コミュニティの縮小等の社会問題により消失の危機にある食・食文化もあります。
当財団はこれまで東日本大震災による食・食文化の復興支援を行ってまいりましたがその支援を全国に広げますとともに、過疎化、単身世帯化等々の社会問題に起因する食・食文化の復活、継承、維持発展の為の活動にも支援していきたいと考えております。
日本には守っていくべきすばらしい食・食文化があり、それらが失われることのないよう浦上財団の支援がその一助になれますよう心から願っております。
浦上財団では、2012年9月からラオス中部のカムアン県において小学校で学校給食を提供する「浦上ランチプロジェクト」を開始しております。ラオスは現在も東南アジアの後発発展途上国の一つですが、事業開始当時は貧しい家庭の子どもは毎日の食事が充分でないため授業中お腹がすいて授業内容についていけなくなってしまったり、昼食に一度帰宅すると畑仕事や家事・弟妹の世話などで午後の授業は出席できなかったりしていました。そのような困難な状況にもかかわらずラオスの子どもたちはとても礼儀正しく、また純粋な瞳で地道に生活している姿を見て、当時の理事長は自身が子供時代を過ごした戦後日本を思い出し、かつて戦後の子どもたちがアメリカの支援を受けて成長したように、ラオスの子どもたちに何か支援をしたいと開始したのがこの学校給食プロジェクトです。
浦上財団は平成24年度の事業開始当初より、自立型学校給食モデル事業を目指し、数年で資金の援助を卒業し自分たちでランチを実施していけるように、校庭の一角に畑を作ったり鶏を飼ったりするなど教師と生徒が食材を育て、また村人もランチの調理や畑の管理を担うなど協力してプロジェクトにあたっています。
ランチプロジェクト開始から10年経過した現在では、浦上財団からの援助なく給食ができるまでに自立した学校が1校あり、7校目の小学校に支援を開始しています。この10年でラオス国政府がこどもの教育に力を入れ、今では家の農作業のために学校に行けないような子供はいなくなりました。政府も給食の重要性は理解しており、学校給食の普及を目指し力を入れています。
また、ラオスという国の実情に応じた自給自足的な学校給食事業(浦上ランチプロジェクト)も着実に進み、このことが日本とラオスの相互理解の促進に寄与したとのことで、2022年8月には令和4年度外務大臣表彰を授与されるまでとなりました。
この事業は一般財団法人ワールズリンクに委託して実施しております。
近年、日本でも困難な状況、孤立した状況に苦しむ子ども達が増えてきています。
令和3年度より、特に困難な状況に陥りやすいひとり親家庭の支援のため、NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえが行う「ひとり親支援コース」(特にひとり親家庭支援に中軸を置いたこども食堂・フードパントリー・宅食等の支援活動)に指定寄付を行っております。
毎年、独自の食文化と石川県の冬の日本海の海の幸・加賀野菜を紹介する食のイベントフードピア金沢に支援を行っています。 1985年の第1回実験祭から毎回支援してきた当財団に、フードピア金沢2025において感謝状が贈呈されました。
過去の活動例としては平成3年から12年まで実施された全国食文化交流プラザ事業への特別協賛、 平成11年から13年まで秋田県大潟村で実施されたおいしい米づくり日本一大会への助成、カレー再発見フォーラムカレーアクション北海道・九州への協賛などがあります。
また、2022年12月6~11日に東京国際フォーラムで開催された第22回国際栄養学会議において、浦上財団トラベルアウォードとして20名の世界の若手研究者に訪日旅費を助成し学会参加を支援しました。
周年事業としては、設立20周年記念事業として平成17年度11月4~6日に京都で行われた日韓食文化交流展にも協賛し、設立30周年記念事業として平成27年5月14~18日にパシフィコ横浜で開催されたアジア栄養学会議にて浦上財団トラベルアウォードとして海外の若手研究者に訪日旅費を助成し学会参加を応援しました。
助成いたしました研究の結果をまとめた「浦上財団研究報告書」を毎年3月頃に発行しています。 御希望の方はお送りいたしますので御連絡下さい。また当HP研究助成一覧のページから各研究報告をPDFでご覧いただけます。
浦上財団では、その年の活動をまとめた財団ニュースを毎年12月に発行しています。写真を多く使い、当財団がどのような活動をしているか紹介しております。(下記リンクをクリックすると冊子PDFをご覧ただけます)
設立10周年記念として 「 おいしさの社会学 」及び「10年のあゆみ」を平成8年度に、 設立20周年記念として「食文化から見る日本、そして韓国」及び「20年のあゆみ」を平成17年度に、設立30周年記念として 「食を通して地域を支える。食を通して未来にかかわる。―東日本大震災復興支援事業、ラオス・浦上ランチプロジェクト活動報告」及び 「30年のあゆみ」を平成27年度に作成しました。(下線のあるリンクをクリックすると冊子PDFをご覧ただけます)